極真空手による青少年教育「礼節・心を鍛える」ことを重視します。

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武道による教育とは

呼吸の調子(リズム)が心身に多大に影響?

すくすく通信通巻16号掲載 2015年11月発刊

成長の根幹は呼吸力

稽古の第一目標は自身の心(気)をコントロールすることであり、心身一如を実現するところにあります。
心の乱れは普段ではわかりにくいですが、うまく事が運ばないとき、重大なミスを犯してしまった時、怒鳴る人が入る時などストレスのかかる場面は避けられません。道場で言えば、自分を倒しにくる相手と本気で組み合ったときなどです。
その中でも常に平常心で穏やかな心をもち、体が緩んでいることができれば武術稽古の70%は完了したと言えます。それほどウエートのおおきな目標です。
何らかのストレスにより気が高くなれば、体は緊張し、十分なパフォーマンスは発揮できません。
さらに過度の緊張は健康を害します。
心(気)をコントロールするとは我慢や決意をすることではありません。これもまた過緊張をもたらします。そのため道場での稽古目標は
 ・気を静める
 ・体を緩ませる
ことを中心にすえています。
これを実現する第一歩は呼吸を整えることです。いついかなる時でも深く長く丸い呼吸を身につけることが心(気)をコントロールするベースとなります。

呼吸の調子(リズム)が心身に多大に影響

単純には緊張すれば呼吸は速くなり、穏やかにいれば呼吸はゆっくりとなります。
大自然の中では深い呼吸となり、人工物の中では比較的浅い呼吸になりがちです。
姿勢も大きく影響し、例えば背骨側に体重を乗せている人(日本人に多い)は呼吸に背中が参加できず深い呼吸ができません。椅子の背もたれに体重をかけてしまえば同様です。※ちなみに腰痛のおおきな原因の一つ。
気が高く、呼吸が速く浅くなれば、
心=落ち着かない・集中力がない・きれやすい
体=動きが悪い・持久力がない・病気しやすい
などいいことはありません。
落ち着きのない子供に「落ち着きなさい」と注意するよりも呼吸を変えて上げることの方が効果的です。

深く・長く・丸い呼吸を体得する

深く長く丸い呼吸を体得するにはどのようにすれば良いでしょうか?
実際には直接伝えないと難しい部分はありますが、参考までにその内容を簡単に記してみます。
①縮まった肺活量を本来に戻す(体幹部内圧ストレッチ)
②気を静める(心を下腹に置く)
③体に芯を創り緩ませる
④全身に呼吸を送るイメージを持つ:深くする
⑤無理なく吸いきる・はききる:長くする
⑥吸う・はくの切り替えに間を置く:丸くする

日常の中でこの呼吸が崩れないようにします。この呼吸ができているだけでも、かなりのストレスが軽減されますし疲れにくく、こりにくい体になります。
しかし子供は呼吸だけをさせても面白くありませんからやりません。
まず、呼吸の違いがどれほど技の違いになるのかを見せ、その上で体験させます。呼吸を切らなければ、本人の自覚よりすごい力やスピードが出ますのですぐに納得します。

その上で、呼吸の長さや一呼吸で何回技を出せるかを競わせます。いつの間にか、意欲的に穏やかになる競争をしていることになります。
いついかなる時も良い呼吸ができていれば、その人のもつ知能や運動などの最高パフォーマンスが引き出されます。

そして何よりも気持ちよく穏やかで健康的に、人と和合できることが楽しくなります。
武道を通じて良い呼吸を身につけ、そのような子供が一人でも多く育つように願っています。

この記事の執筆者
杉原 政則
杉原 政則国際空手道連盟極真会館総本部手塚グループ副会長
極真空手東京本部本部長 極真空手五段
1963年生まれ、10代の頃より極真空手を始め、総合格闘技、護身術、合気道、柔術の門もたたき修行を重ねる。空手を手段とし青少年教育、人格育成を実現するために指導方法を模索、現在までに延べ1000名をこえる青少年を指導する。
家庭教師や塾講師など学習面での教育にも携わった経験を持ち子供向け学習道場も主催。知能教育主体ではなく知性教育を重視する。大人向けの「健やか教室」「子育て教室」も開催し、武道を通じての総合的な人間教育を志す。

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