2010年4月30日(本部長通信908)
極真メッセージ(12)
目指すべき道場の理想は、どのような理想を目指すのであろうかということなのです。一言で言えば、道場は空手道としての神聖な息遣いが充満し、極真の伝統が軸になっている世界なのです。道場の神聖な基準が環境の外側にあり、内容は極真伝統ということになるのです。
稽古の始まりと終りが、極真の伝統で一貫している世界なのです。誰もが道場では、神聖な心を啓発し、その人格体を形成して行こうと言うのです。
したがって、道場は反目や蔑視がありえず、お互いがお互いのために成長を促すために生き合う事が自然な世界なのです。権威や名誉が支配する世界ではないのです。例えば、ひとりの人が大会で優勝したとしましょう。ひとりの優勝が、全体を代表して共に喜ぶことであり、全体がひとりの人を喜んであげられる世界なのです。
つまり、ひとりの喜びが全体の喜びに直結する内容なのです。また道場ではいつも、どこでも、生命が躍動する世界なのです。全ての道場生が、道場の真髄と絆を結んでいる世界なのです。道場全体が私たちの身体の細胞のように、不可分の関係で結ばれているのです。
このような道場の精神を家庭に持ち込むのです。親子は愛情と信頼で、夫婦は相互信頼と愛情を土台として、兄弟姉妹はお互いに信じ助け合いながら、一緒になって暮らすのが家庭なのです。
そうすると、道場は、転勤や転校などで外の道場に移ったとしても、懐かしく思って、再び訪ねてくるような道場でなければならないのです。懐かしい気持ちで気楽に訪ねて来られる道場として準備していかなければならないのです。