2010年4月29日(本部長通信907)

極真メッセージ(11)

 昨日さんもん会館で今後の方針を検討結果の報告を受けました。第一に、「尊敬」「感謝」「忍耐」を持って道場に貢献するという基本的精神を明確にしたのです。個人の道場への姿勢を重要視する内容でした。道場に関わるどんな人も、貢献するという意識を持つということなのです。
 ところで、貢献するということは、中心軸(道場)を定めて、ひたすら自ら自身を奉仕するということなのです。道場に関わる人達の個人的価値観を自発的にしっかり提示したのです。この内容に関しては、プロ野球のチームの個人の姿勢で垣間見ることができるのです。
 チームの勝利を前提に、選手やコーチそして監督が一丸となってチームに奉仕するのです。最優先されるべきは、チームの勝利なのです。その勝利のゆえに、個人が何を貢献したのかを明確にしていくのです。チームが勝利しなければ、いくらホームランを打っても、個人の成績には記録されますが、全体が優先されるのです。全体の勝利が個人に直結するのです。いくら個人として能力があったとしても、チームに溶けこめないとするならば、能力は発揮されるはずはないのです。
 この「尊敬」「感謝」「忍耐」という精神は、かなり高度な精神態度であると言えるのです。自己の評価よりも、全体を優先し、全体の勝利を前提に個人の評価を受けていくということなのです。自分がこれだけ頑張っているので評価して欲しいなどということは、全体が勝利しなければ、口にすら出せないのです。全体が勝利して、それも自らを主張するのではなく、かえって、多くの人達に評価を受けていくのです。
 第二に、極真空手の伝統の継承をしっかり根付かせなければならないという意見でした。それは言うまでもなく、指導者は、道場生を自分の教室で自己完結させてはならないのです。完成の標本を極真空手の神髄に置くのです。空手界を大きく変えてしまった直接打撃の技は、心身ともに厳しい自己修練を課してこそ、完成させることができる技なのです。道場のどの部門の指導をするにしても、自らは、組み手において強くならなければならないのです。
 私たちの分野は極真空手なのです。子供たちだけ指導して、満足させるだけではならないのです。自らいつでも試合に出場して戦える準備をすべきなのです。自らの鍛錬なしに指導するとするならば、途中で極真の鍛錬に耐えることができなかったメンバーと変わらないのです。年齢がどんなに高かろうとも挑戦すべきなのです。それが、極真空手の伝統であることは間違いないことなのです。