2010年4月15日(本部長通信893)

道場訓(4)

「我々は礼節を重んじ長上を敬し粗暴の振舞いを慎むこと」
極真の精神は常に礼儀正しく節度をある行動がとれるように心がけ、特に親や目上の人を敬い、考えのない乱暴な態度や言動及び行動はしてはいけないのです。自然の法則を根拠として極真空手道は価値観をしっかり定めているのです。これは、手塚グループの根本思想である「自然」という考え方に立脚する内容なのです。その土台の上に「対話」がなされていくのです。当然原点は「家族」です。
人間社会は、その人においてのみならず、他の人との間に地球と月のような関係性を結ぶことによって存在し発展するもと見ることができるのです。従って、一人ひとりが、孤立して存在できるものではないのです。月であれば、太陽の輝きの反射によって、三日月になったり半月になったり様々な輝きを放ちます。
 どんな人間関係でも、各々主体対象は必ず共通の目的を中心とするようになるのです。その時、月のように地球を中心に関係を持つことができるようになるのです。その意味では、師範を中心として道場生は運行されているのであり、道場生の存在も決定されるのです。
当然師範と道場生の相対関係が成立によって道場も一定の秩序体系をなしているのです。そこには縦と横の秩序があります。そしてそのような秩序体系の中では各個人は一定の立場と成長するのです。
 師範と道場生は、主体と対象は調和のある「対話」をおこなっており、そこには発展がみられるのです。さらに、宇宙のすべての個体は天体から原子、素粒子に至るまで、あるいは人間から単細胞生物に至るまで、誰も真似できない個性を持っているのです。しかし、個性を持ちながら同時に全体との関係をもって存在しているのです。
 人間に関して考えても一人一人アイデンティティを持ちながら、他人と関係を持っているのです。その関係性でも自己同一性は失われることはないのです。つまり個性は生きるのです。そして各々人間性が発展していくのです。つまり、自然界の法則が人間社会の法則に合致するのです。社会では、対象が主体の意志に従って行動するという意味での循環運動が行われています。また、夫婦間でも、子孫を残すための次代の繁殖をしながら螺旋形の運動を行ってくのです。つまり、後孫は続くのです。

礼節における縦の価値観
【父母の価値観=慈愛 子女の価値観=孝】【師=師道 弟子=敬服】
【年長者=愛護 年少者=尊敬】 【上官=命令 部下=服従】

礼節における横の価値観
【夫婦愛=和愛】【兄弟愛=友愛】【同僚、隣人、同胞、社会、人類=和解、寛容、義理、信義、礼儀、謙譲、共助、奉仕】

礼節にみる個人的価値観
【純粋、正直、節制、勇気、智恵、克己、忍耐、自立、自助、自主、公正、勤勉、清廉】