2010年2月7日(本部長通信824)

人生の生き方


 日本に帰ってきて、更なる悟りを開くのです。全ての自然は循環しています。太陽も、月も、四季も全て循環しています。さらに山に積もった白い雪だって解け、渓谷を下って流れ川となり、海に流れ出て生きます。海に流れ込んだ雪は、海流となって世界を回り、暖かい太陽の日差しを浴びて雲になり、再び雪の雫になるように準備するのです。
 人間はこの自然のサイクルに合わせると、生まれて死んでいくことを循環と捉えるならば、死ぬことは本来いたところに帰るということなのでしょう。人間が本来いたところといえば何処なのでしょう。
 心と体からなる人の命ですから、ただ、単純に考えて体は目に見えて分かりやすいのですが、体があった場所に帰るのです。つまり、大地に戻るのです。心も本来あった場所に帰るはずですがどこかは分かりません。
 しかし、死を語らないまま生を語ることができません。生の意味を知るためにも、死ぬことは何であるのかを正確に知りたいのです。師範には分かりません。だた、癌で余命何ヶ月と宣告された人が、一日でも長く生きようとする姿勢の人こそが、必死に知りえる状態であると思うのです。それほど、尊い一日であるのです。誰もが渡らなければならない境界線を越える前に、何をなしていくべきか考えまししょう。
 そこで、大切なことは、影のない人生を生きることです。自分の良心が躊躇するものはしてはならないということです。良心に引っかかると影が必ず残ります。その次に大切なことは、自分の役割を演じることです。自分の時間を使って、使命を果たすために、豊かな人生を生きることでしょう。
 全てのものが通り過ぎていきます。人生最後に残るのは死だけです。人が死ねば墓だけが残ります。そこに師範は、家族と後孫を残すという気持ちでいます。家族の中で愛情を持って生きてきて、分かち合ってきたのです。