2010年1月1日(本部長通信775)
極真の未来・日本伝統の未来―理想へ(3)

 新しい年が始まります。今日は、大荒れかと思ったのですが、良く晴れていました。西欧世界に無い事なのですが、日本民族の特徴は、先祖を大切にします。いくら忙しくても、年に何回か大移動して実家に帰り、墓参りもするのです。今年の元旦も大移動です。両親を大切にし、親戚と和合して、その絆で持って生活をしようとするのです。つまり、独自の行動よりも互いに尊重し合う関係であると思うのです。敬天の思想よりは、隣近所の関係を大切にする、和合精神の民族に映るのです。
 独自な挑戦者はごく僅かな人たちで、ほとんどの人が、調和から始まるのです。それゆえに、極真会館の創設の構図も、一人の大山倍達という英雄とその人に連なる日本人がいて、その人の言葉を信じて受け入れて、一丸となって行動してきたという事になります。
 その優秀さを表しているのが、和合して組織を形成する事なのです。例えば、善悪の判断をせずに、ただ単に事実だけを述べれば、日本人が軍隊を形成した時には強力な組織力を発揮し、日清・日露の戦争にも勝利を治めたのです。まさに組織力でした。さらに、日本社会における諸関係をもたらす言葉が素晴らしいのです。万葉の時代から培われた、人の心の繊細さをよく表す言葉です。思いやりの心から生まれる言葉は絶妙です。
 言葉には魂があります。日本人独特の言葉は、極真を学ぶ世界中の人たちが同じ日本語を使って稽古をするのです。世界の極真空手のメンバーは同じ日本語を使って技を説明するのです。武士道の精神が、日本語という言葉から世界中の青年に伝わっているのです。
 さらに、武士道精神は、人に絶対に世話にならないという独特な性格を持っています。私は、改めて武士道の良さを感じてきました。ヨーロッパやアメリカは、社会保障制度が整えられている国々ですが、武士道精神からするとそのような社会保障を頼ろうとはしないのです。
 具体的に、国が支出する支援金を期待せず、何が何でも一人自分が子供を育て、両親の世話をしようとするのです。そのくらい、主体性を持って人生を切り開かなければ大成はしないという自覚です。ある意味で、武士道精神は強くあらなければならないという思想です。国の政策に異議を唱えるつもりはありませんが、子供手当、授業料の無料化を強く訴えているのですが、財源が所得控除の廃止から成り立つことも説明しなければ不満は募るのです。国民の納税の推進も国を守る大切なことです。
 師範の気質は、見知らぬ地域へ言ったとしても、特別不安を覚えません。世界中のどこへ行っても、極真空手という分野で使命を果たすだけです。あらゆることを振り切って、躊躇などすることは無いのです。
また、武士道は文武両道でなければならないと主張します。一か所にとどまらず四方八方歩き回りながら、一つのものに縛られず、多方面で能力を発揮しようとするのです。例え行き詰っても、挫折することなく、勇気を持って他の分野に飛び込んでいく適応能力も秘めるのです。
元旦に思いつく事を表現しているのですが、一年の重大な出発に日なので更なる決意を秘めて出発です。道場の責任者や道場生の御父兄の皆さま、そして道場生諸君2010年更なる跳躍を目指して頑張りましょう。