2009年12月19日(本部長通信762)
ロシア外遊記(3)

 ホテルにて8時に朝食をして、早速ボリス先生の道場へウインターキャンプ第二日ということで出発しました。ボリス師範の道場は、不思議なことに、カザン大学医学部の中にあって、その一部が道場なのです。それも、大学解放時はいつでも専用に使えるので不思議でたまりませんでした。道場の入り口は、医学生がたむろしていて、学生の集まりなのです。
 さらに、ボリス師範の事を伺うと国立大学で極真空手で講師をしているというのですから驚きです。民主化が始まって、極真空手はここロシアでも急激に伸びて今は凄まじい勢いで生徒が増えているのです。自由な資本主義経済にあこがれる青年が、この極真空手に出会って世界へと跳躍するかのようです。
 ロシアの極真メンバーの瞳は、日本の青年達の何倍も輝きを増し、アメリカンドリームならぬロシアでの夢を叶えるひとつの指針になっているようなのです。道場に通う青年達を見ながら、日本はいつの日かの呑まれてしまうのではないかという懸念さえ生まれて気います。
 道場に入ると、数十名の一般の黒帯軍団が列をなして挨拶をするのです。恐ろしいやら,凄いやらで、身が縮こまる思いをしながらも、やさしく挨拶です。早速アラン師範が稽古をしていましたが、迫力は何とも言えないものがあります。平日の朝でありながら、ウインターキャンプということで黒帯が一生懸命に稽古をするのです。
 午前中の稽古を見学しながら、明日の朝の稽古は私であることを宣告されながら、自分が稽古してきた内容でしか勝負出来ないと諦めながら、カザンの都市の観光と午後から会長と出かけたのです。
 カザンの都市の伝説は、金の壺を落として場所がここであったということで、ドラゴンの羽がついている絵が、シンボルになっているのです。この歳はイスラム教とロシア正教が混在していてより融合的な都市として発展してきたのです。つまりカタール人とロシア人の融合的地域ということなのです。
 カザンの中心の通称第二のクレムリンというところに案内されて、その由来を聞きました。あの広大なボルガ河とカザン河が分かれているのがこの第二のクレムリンで雄大な景色とモスレムのモスクとキリスト教の教会が統一されていました。宗教的には、カザンは排他的な感情はなく、市民はお互いを理解し合いながら生活しているのです。さらに、お互いの宗教の結婚も増えているということでした。
 とても驚くことは、信号機が少ないのです。さらに、混雑していると車は車道ではなく歩道を堂々と進んでいくからびっくりです。帰りがけに何軒かの交通事故に出会いました。インフラの整備はこれからのようです。ホテルへ帰るとぐったりです。夕食をアラン師範、ボリス師範、そして通訳のエレナと私たちの楽しい空手談義が始まるのです。