2009年12月18日(本部長通信761)
ロシア外遊記(2)
ロシアの空港に到着です。モスクワは雪が5センチ程積っている状況です。今年はロシアではクマが冬眠出来ないというニュースが流れていました。早速、入国の手続きをするのですが、僅かの人数しかいないにも拘らず、時間が過ぎていきます。一番受け付けでは、乗客が手続きをしようとしているのに、シャッターを閉めて業務を閉めてしまうのです。
随分待たされました。共産圏の公務員の仕事ぶりを見る思いです。時間で全て終了して後はどのような展開になろうともお構いなしということになるのでしょうか。体制における人間の訓練されてきた内容が伺い知る思いをしました。もちろん、日本でも、今民主党政権が打ち出している事業仕訳の内容で無駄が多いという事実を知るにつけて、公務員の姿が浮き彫りになっているような気がいたします。
早速、空港出口でモスクワのカザンスキー先生が弟子を連れて出迎えてくれました。到着が夕方の6時過ぎでした。雪解けで道は泥だらけでした。モスクワ市内の夕方はラッシュ時で車が前に進みません。その中で、少しずつ進んで到着したのがクレムリン広場です。イレミネーションで輝く広場は、かつての共産主義のメッカというより、若者の出会いの広場のような自由な雰囲気が漂っていました。
慣れない手つきでカメラを向けながら、青春時代の学生運動の事、米ソ冷戦時代の経過や鉄のカーテンの時代の事、さらに、民主化が進んでレーニン像が倒されていった事など走馬灯のように浮かんできました。
まさか、共産主義の中心地に今自分が立っているなど夢にも思わない出来事でした。ロシア正教の教会に案内してもらったり、プーチン宮殿といわれる行政府の建物を外から拝見したり、有名な場所を夜中に回りました。観光地は全てライトアップされていました。
モスクワ市内の観光が終えた夜中の一時過ぎに、モスクワ・カザン間の寝台列車に乗り込みました。実に日本の戦後を思い浮かべる光景でしたが、懐かしい思いを胸に、用意してくれた場所は一等席で豪華寝台ということになります。シベリア鉄道に乗るとは夢にも思わない事でした。
一望する雪景色を想像していましたが、まったく雪は無く、普通の北海道のような景色が映し出されていました。それでも、感動は続くのです。会長と話し合うのもそのような事でした。何度かソファーで横になったり、会長と今後の話をしたり、気持ちは高ぶるばかりです。会長はもうすでに、7度目の訪問ということになっていました。伝統を建ててこられた私にも相続してくださっているという気持ちで感謝するのです。
12時間の間楽しい列車の旅を終えると、そこはカザンです。ボリス師範自ら迎えに来て下さり、通訳の女性の方も一緒にホテルへ直行です。すぐさま荷物を下ろして、少年部の指導に当たったのでした。本当に日本もロシアも子供たちの様子はまるっきり同じなのです。すぐ仲良く楽しく指導させていただきました。
指導は経験が物をいうのです。空手の指導というよりは、子供たちとのスキンシップをどのようにするかがメインでした。喜んでくれているところにちょっと空手の基本を教えるという程度の事でしたが、指導の後はサインの攻撃でした。
七時からは、一般部の指導ということになりました。私は楽しく指導したつもりですが、ちょっとハードであったのかと反省です。さらに、カザンの責任者とアラン師範が夕食を取りながら楽しいひと時を過ごしたのです。