2009年12月12日(本部長通信755)
私の歩み(42)カザンでの指導
かつて青春時代に、ダーウィンの進化論を初めとしての共産主義に立脚したことがあるのです。精神は物質から生まれるという思想でした。その意味では、人間は物質の延長であるから、最終的には、連合赤軍の浅間山の事件に発展するのだと、自分の生き方の反省材料にしたことがあります。
ある意味で、青春時代に捨てた私が持っていた思想の結末をロシアに観てしまうことになったのです。やっとロシアに自由の風が吹いて芽生えていく姿なのです。共産主義がもたらした、負の遺産を払拭し、自由主義の流れが怒涛のように流れ込んでいる社会を観るのです。モスクワもカザンも新しい社会の建設ラッシュの真っただ中なのです。
ソ連を戦争なしに無血革命をし、ゴルバチョフ大統領が自らソ連の解体をやり遂げて、今のロシアがあることに歴史の新たなページが示されました。こうしてロシアに極真空手の伝統を植え付けることが出来る時代は奇跡のような気がするのです。無血革命の時が私の故郷仙台に帰った年でしたから、すでに二十年にも及ぶ歴史が極真の流れがあるのです。
手塚グループが進出してから、すでに七年の年月がたつのです。そして、今回私が直接ロシアに乗り込んでの指導ということですから意義深いものを感じるのです。二十数年間で育った極真精神を持つ黒帯の指導者にカザンで指導するのです。いま朝なのですが、かなり緊張しているのです。それは、本当の極真の伝統を伝えることが出来るかを自分の生涯にかけての挑戦であると位置づけているからなのです。