2009年11月22日(本部長通信735)
私の歩み(22)重大な決意

 大阪・和歌山に重点を置いて営業していた頃、両親からの願いで、実家に戻れということになりました。四十歳を過ぎてからの事です。結果、22年の放浪の旅に終止符を打ったことになります。放浪最後のわがままで、アラスカへ三週間近くに渡り、釣りという選択をしました。
 アラスカでも、コジャック島へ飛行機で出かけました。ハリバット、シルバーサーモン、キングサーモン狙いで、ホテルへ宿泊し、毎日が釣り三昧の日々ということになります。アラスカの自然は、人を受け付けないとう神々しさを持っておりました。大自然に囲まれての釣りは、心の汚れが洗われるのです。
 アラスカでの人生の選択が始まりました。この三週間近くで、自分の人生を決する覚悟を持とうとしたのでした。故郷仙台に帰るということは、全てを失うということになります。今までの地位、名誉、全てを喪失させ、ゼロからの出発です。私には、もうすでに妻と三人の子供に恵まれていました。独り身から出発させ、盤石な家庭という築いた実績は自分に取って誇れるものなのです。
 川でのシルバーサーモンの獲得は、州法で二匹までと決められていました。それがなかなか釣れないのです。9月初めの時であったので、夜の11時でも日が落ちません。あたりは夕方の光景が続くのです。最後の最後に日没近くに釣りあげるという時もありました。
 また、私の尊敬する釣りの名人、人生の大先生の釣り竿にわざと対岸から、釣り糸をからませて、困らせてやったことも、痛快であったという思い出を過ごした、大切な日々でした。今までの人生を予行訓練として、故郷に帰ってからいざ本番という自分の構図がまとまってきました。