2009年11月10日(本部長通信723)
私の歩み(10)両親と恋人

 私は、18歳の時には、すでに家出状態でした。親に不満を持っていたわけでもなく、人生の何たるかを追求しようとした決断でした。結構、行動に移したら、走り続けてしまうのです。食べるよりも着るよりも、自分の追求する道が尊いと思ってしまうのでした。
 家出と言っても、実は、両親には、居場所も電話番号も全部伝えているので、ある意味では、両親公認の家出ということになるのです。それでも、母は、私がいつ帰ってくるのかと、風で戸が音をすると、「義道が帰ってきたのではないか」と何度も思ったそうです。そのつぎの日には電話がかかってくるので、家出とは名ばかりといことになってしまうのですが、しかし、絶対に家の門を潜らないぞという決意だけを胸に秘めていました。
 二十四歳の時、私は北海道に渡って仕事をしていました。営業を続けていたのでしたが、結婚する時かなと思っていた時に、今の千順さんとの出会いでした。個人で何も対象がない時には、何とも思わなかったのですが、相手ができるとそうはいかないのです。自分の欠点と足らなさだけが目に付き始めました。
 それもそのはず、彼女はとても真心を尽くす女性でした。少しでも、人の為に世話をする人で、何かしら信念のある女性に映ったのでした。それゆえに、益々、自分を追い込む羽目になったのでした。ある意味でこの女性に出会ってからが自分を本格的に困難へ追い込む決意が生まれたのでした。