2009年11月4日(本部長通信717)
私の歩み(4)生命の危機

 今日は、更生保護の東北大会が盛岡でありました。早速仙台駅から新幹線で盛岡まで出発です。あっという間に到着です。東北地方での表彰を受けることになりました。めでたいことです。さらに頑張りなさいという励ましであると受け止めて岐路に着きました。
 さて、私の性格は一度決意すると貫いてしまうのです。例え間違えていたってそうなのです。自分という個性が強いだけに、勝負師のように、負けたくないという気持ちに包まれます。さらに厄介なことに好奇心は旺盛なのです。山へ入ると、どんどん奥に入り込んで、帰り道が分からなくことも何度もありました。何がこの奥にあるのかなと思うと、進み続けるのです。その結果迷ってしまって帰る方法が分からず、方々歩いて小道に出て帰れたという体験は何度もあるのです。
海水浴に出かけた時でも、結構泳ぎに自信があって、沖へ沖へと怖がらずに行ってしまうのです。小学校6年の時でした。潮に流され遠くに浜辺がある状態になってしまいました。浜辺には帰れないのです。最初は、体力が続く限り岸へ泳ぎ続けました。10分位泳いだのでしょうか、益々岸は遠くなっていくではありませんか。
この時、生命の終わりを感じてしまいました。幼くて人生終わりになるところでした。岸に向かうのを諦めて、力を抜いて潮の流れに任せて浮いているだけにしたのです。それから長かったような気がしますが、静かに立ってみると漁師の仕掛けたブイの端の縄に引っかかったのでした。縄を辿って、思わずブイしがみつきました。
ようやく、海水浴場の監視塔から発見したらしく、船で迎えに来てくれました。なんでもなかったような顔をして、通り過ぎようとしたのでしたが、涙があふれ出てきてしかたがなかったのです。海に一人ぼっち、波音と太陽と海の水だけが私を包んでいた時でした。もう生命はないと、子供心にも思い心を開いて、自然を全身で受け止めていたのでした。私と自然の境界がなくなってしまう状態だったのです。それで私を生かしてくれた自然に感謝です。本当に感謝だったのです。