2009年9月21日(本部長通信673)
人間関係(23)師範の指導(18)

大会も無事終了して、和やかな雰囲気で全てを終了しました。広島の平和大通りの街並みを観ながら、可部道場に通った日々が思い出されました。会社経営をしていたこともあって、広島駅の近くで店舗を構え、森周治師範から指導を賜りました。
色帯時代の思い出なのですが、広島駅の新幹線口にスパ広島というスポーツクラブがあって、ウエイトトレーニングを中心によく通いました。当時、スポーツクラブは会員制で会費も高かったのですが、一生懸命通い詰めた記憶が残っているのです。
道場の雰囲気は、森周治先生が指導をして、師範みずから前に立ち、道場生の見本となる稽古でした。私の広島時代の三年間は森周治師範の指導で、筋力トレーニングをスポーツクラブで強化し、空手の型や技術は可部道場で学ぶという事の連続でした。
田原敬三さんとの出会いは、私が選手としての道を究めるきっかけになりました。絶えず前を行き、私のお手本としての歩みをしてくれたのでした。本人は野球少年として過ごしてきたのですが、腰を悪くして野球ができなくなってしまったという事でした。それで、極真空手に投入して、自分の才能を開花させた事になったのでした。
森周治先生の指導は、田原敬三さんに結実していたのだと思うのです。決して森周治先生は道場生の誤りや間違いを指摘する指導ではなかったのです。いわゆる、ソクラテス式問答法というのでしょうか、私に納得させる質問を中心に肯定的な話を穏やかに指導してくださいました。
気がついたときには、いつの間にか柔よく剛を制する如く、森周治先生の指導を一生懸命心に留めている自分の姿がそこにあったのでした。それが、今の私の空手の原点を作ってくれている財産なのです。