2009年9月19日(本部長通信671)
人間関係(21)師範の指導(16)
人間関係豊かさの基本は、同情的で友情でつながれ、感謝に満ち溢れた態度からしか生まれないのです。小学校の時に太陽と北風が腕比べをする童話を読んだことがあるのです。北風は「僕の方が強いに決まっている。あそこにオーバーを着た人がいるだろう。僕は君より早く、あの人からオーバーを取ってみせる」と言い張ったのです。太陽は、しばらく雲の後ろに隠れた。北風は勢いよく吹いたのでした。しかし、北風が吹けば吹くほど、人はますますしっかりとオーバーで身体を包んでしまったのです。
北風は精根尽きて、吹きやんでしまったのです。そこで太陽は雲間から顔を出し、その人にやさしく微笑みかけたのでした。しばらくすると、人は額から汗を拭いてオーバーを脱いだのです。太陽は、やさしい親切なやり方は、どんな場合でも、激しい力ずくのやり方より、はるかに効果のあるものだと北風に諭したのでした。
この物語はイソップ物語と言ってクリーサスの王宮に仕えたギリシャの奴隷が、キリストが生まれる6百年もの前に、普及の名作として後世に伝えられたものとして書き表したのでした。この教訓は2600年前であろうと現代であろうと、同じく真実なのです。
太陽は北風よりも早くオーバーを脱がせることができるという事は、親切、友愛、感謝のいっさいの罵声よりもたやすく人の心を変えることができるという事なのだという事なのです。極真空手は、穏やかな人格を目指します。なぜなら、穏やかさは、人を限りなく納得させる要因だからなのです。師範は、結構穏やかなのです。