2009年9月15日(本部長通信667)
人間関係(17) 師範の指導(12)

 ある弟子にこれは絶対間違いだから取り組まない方がいいと断言したことがあるのです。能力的にも、人格的にも、この弟子を受け止めていける人は皆無であると感じていたからなのです。仕事の問題ではないのです。人間として好かれるか嫌われるかという重大な問題なのです。
 理屈通り動く人は、めったにいないのです。その事業を掲げていこうとしても、まず持って人間関係の中でどのように対処していくかなのです。たいていの人は偏見を持ち、先入観、嫉妬心、猜疑心、恐怖心、ねたみ、自負心などに蝕まれてどうしようもない状況にいることを考慮に入れるべきなのです。
 自分たちの主義、宗教、スタイルまで、自分を変えようとしないものなのです。この弟子を発奮させる為に結局は演出したことになるのですが、この弟子は、否定され、腹を立て、意地を張るのです。ある意味でいい加減な動機から、いろいろ変な信念を持つようになるのです。
 私は感じているのです。弟子を否定したところで何も変わらないのです。それは信念そのものではなく、その信念を変えさせようとするとき、危機にひんした自尊心が、憤慨しているのです。結局師範が指導した内容は、たいていの場合、自分の信念に固執する為の論拠を見出すために努力することに終始するだけなのです。それでも、愛情を持って見守り受け止めていくだけなのです。