2009年9月11日(本部長通信663)
人間関係(13) 師範の指導(8)

 もうすでに、三年以上も経った事になります。私は、自分の道場で貴重な教訓を得ることになりました。一緒に苦労を共にしようとした壮年の黒帯になりたての二人が、道場を差し置いて、自分の道場を立ち上げることになりました。その二人は、担当していた道場生の子供たちの父兄に自分の正しさを正当化する書面を送っていました。
 そこで、私は武士道としてそれは間違いで、私は極真精神をよく心得ていると自負していたのでした。私は、ある意味で、極真空手の優越性を満たすために、彼らの誤った行動を指摘する憎まれ役を、行動にはしませんでしたが、心の中で抱いていたのでした。
 私は、「なに?裏切り行為ではないか?ばかばかしい!」と思ったばかりか、彼らの道場の窓ガラスに表記している極真空手はやめてくれと電話までしたのです。その弟子は対抗心丸出しで、裁判に訴えられても構わない唇で話しておりました。
 そこで私は手塚会長の意見を聞くことになりました。会長はこの状態の事をよくよく御存じで、私の気持ちを整理してくれたのでした。「森師範、あちらの方もいろいろな気持ちで過ごしたに違いないのだよ。余り悪意を抱かない方がいいよ。」とのアドバイスでした。
 さらに、会長は「森師範、人生にこのような事もあるさ。なぜ、彼らの間違いを証明しなければならないの。証明すればあの二人に好意をもたれるかね。あの二人の面子の事も考えてやるべきだよ。ましてや、あの二人は道場出発の時、一緒に苦労した仲だろう。極真の意見は求めようとしないのだよ。責めようと思わない方が賢いね。これからも空手道を自分たちなりに追求しようとしているじゃないか。心が広ければ応援するぐらいにならないとね」。
 会長は私に生涯忘れることができない教訓を与えて下さったのです。相手に気まずい思いをさせてどうするかということなのです。その結果、二チャンネルでは非難、中傷の山だったではないかということです。もう私には、そのような自分の足らなさを自覚してくれた会長が存在しているので今の自分があると改めて感謝しているのです。