2009年9月9日(本部長通信661)
人間関係(11)師範の指導(6)

道場生との深い絆をいかに作るかがこれからの課題であるのですが、師範は絶えず戦
術を立てるのです。この子供は何を求めて極真空手を始めようとしているのだろうかと
思いを巡らせていきます。もちろん、動機がはっきりしていない子供もいますが、どう
いう事に熱を入れているかを検討するわけです。

 ある日、どうしても心の晴れない道場生と向き合う事になりました。偶然家を訪問することになったのです。その家の客間には、道場生の学校での活躍の表彰状が並んでいました。
 しかし、空手の入賞した表彰状は一枚もないのです。空手を始めて結構日にちは立っているのに大会に出ようとしないのでした。私は、空手の事など全く話さなかったのですが、表彰された内容について子供に尋ねてみたのです。
 道場生はいつの間にかどのようにして表彰されたのか話してくれたのです。そして御両親も一緒に話してくれました。結局師範は空手の話など全くしなかったのですが、その後道場生は熱心に稽古を始めたのです。
 師範は、道場生が空手以外で、努力して頑張った内容を褒めただけでした。しかし、彼はその後一生懸命空手を続けているのです。彼は必ず大会で入賞した表彰状を客間に飾るに違いないと思ったのでした。