2009年8月31日(本部長通信652)
人間関係(2)道場生の愛の開拓

 道場に生徒が来て、本当に子供達が空手をやりたいという心をどのように育てていくかを検討するのです。子供たちが自ら空手をやりたくなる気持ちを起こさせることが師範の指導の秘訣なのです。元気な顔ぶれが今日もやってきました。そして子供たちの顔色を伺いながら、「今日の皆は何の指導を受けたいのかな」と心に巡らせるのです。
 子供たちが欲しがっている欲求は十人十色で様々ですが、しかしはっきり解る事は、成長していこうとする願望なのです。ある子供たちは、強くなりたい事を願うし、しっかり勉強をできるようになりたいと願うし、さらに何事にも自信を持って過ごしたいと願ったりもするのです。
 子供たちの持つ心の奥底には、両親が願う自分になりたいと真剣に思うのです。それは、欲望などと言うものではないのです。まさに、砂漠に水を注ぐごとく渇望するという事なのです。子供たちにとって親に愛される人格像は、子供たちの心を秘めている欲求の何ものでもないのです。
 そういう意味では、空手の稽古をしながら、子供たちの心を満足させることになるのです。それは、両親にとってわが子である自分が、重要で無限に愛される自分であると確信することなのです。
 このような状況の中で、師範は、自分に言い聞かせるのです。「子供たちの熱意を呼び起こす能力があると」それは、師範にとって何ものにも代えがたい能力であると思うのです。子供たちは、稽古の中、自分の能力を最大限に発揮するのです。稽古の中では、ほとんど叱ることが無いのです。叱っても笑顔で優しいのです。理由は、子供たちを非難しないと心に決意をしているのです。
 子供たちが成長していくためには、心から信頼することが必要であると確信しているのです。だから、子供たちを心から愛することが大好きなのです。決してけなさないのです。けなすことは、師範は大嫌いなのです。子供たちが成長していたら、おしみなく褒めて、心から良かったと喜んでしまうのです。