2009年8月1日(本部長通信622)
ベルギーでのサマーキャンプ(1)

 誰に気兼ねもなく進めてきた毎日の人生が、今懐かしく思うし、充実していたのではないかと改めて感じさせられます。投入し続けてきた毎日がこの年になって花を咲かせているのではないかと不思議な気がするのです。
 人生の最終段階にきて、すべての恵みを刈り取ることができる時代圏を迎えることができました。素晴らしい勝利圏であることは間違いないのです。理想の世界を見つめなおして歩んできた人生に乾杯です。
 例えを挙げるならば、今日ベルギーに息子聖義がいるのです。結婚生活の結晶であります。唯の結婚とは違って、人生の永遠を懸けての勝負の人生に打って出たのでした。誰でも皆同じでした。すみません。成さなければならない数多の状況を自分で切り開き、歳月の結晶が今の息子であると思うと身震いがするのです。
 息子を見ていると私の人生の設計図が濃縮しているのです。夫婦での歩みが、今は息子で満たされているのです。確かにこの時代を走りぬいてきた証であり、力強い私の結実になっているのです。今幸せかというと最高ですと答えざるを得ないのです。
 あらゆる試練を乗り越えて、大きな勝負をしてまいりました。勝負の毎日が大きなうねりをも垂らし、自信を持って胸を張って頂点を目指し、最後の心臓破りの八合目を勢いよく進んでいる実感です。今回のサマーキャンプに参加させたのは、リレーでバトンが渡るように、私の使命を継承しようとすることに他ならないからなのです。
 息子の資質は、二十歳になって芽生えてきていると感じられます。眠っていた才能が今から地上にマグマのように噴き出さんとする状況のように思えるのです。このキャンプが発火点です。燃える魂に火がつくのです。いざ息子よ!旅立てとエールを送る親父なのです。
 さらに次の例を挙げるならば、それは決定的なことになるのです。夫婦生活22年の総決算なのです。いろいろな事がありました。ベルギーに息子と行くときに妻との別れは、愛情の結晶が随所に見つけることができるのです。
 出発の当日、夜は二人で「風の国」を見たのでした。ドラマの中なので事実とは違うと思うのですが、王子と皇室の王女愛情のドラマなのです。決して忘れることができない二人の道は、男性は、皇太子になるゆえに、自国からの妻を迎えるのですが、夫婦の愛情を持とうとしない潔癖さであり、王女は自らの身分を捨てて身を隠してしまうほどの純粋な愛情を貫こうとする人生に出発するのです。そして二人が出会うところでドラマは終わったのでした。
 私たちの夫婦もまた純粋に愛の道を貫き通した結果であると自覚するのです。二人とも夫婦生活は振り向くこともなく過ごした日々なのです。熱い血潮は逆巻く胸を焦がしながらの日々であったのでした。はるかな夢を捨て切れないままに今日まで過ごしてきたというのが、真実であろうと思うのです。別れの時は、束の間の寂しさを埋めるように、高速バスに乗り込んだ自分の姿を思い浮かべるのです。
 思えば、最近はどこに行くにも、二人なのです。理由はあるのです。今年の二月事故を起こしたのでした。一時停止を気がつかずに止まらずに衝突です。その時から、車の運転は自重しているのです。その結果、私がどこにでも妻を連れていくということになったのでした。おかげで、更なる夫婦の絆を深める結果となったのでした。
 ロマンチストの私と妻との愛情路程は、どんな時でも一緒なのです。さらに、お互い涙の流し方を研究してきているのです。一人きりではない路程に妻から涙の流し方を教わっているのかも知れないのです。男としての生きざまをさらに繰り広げる私なのかも知れないのです。