2009年6月24日(本部長通信585)
父親の子育て奮闘記
長女順香(10)

 順香が中学の入学式の時には夫婦二人で娘の成長を見つめるようにしていました。少し大きめの制服がとてもまばゆいのです。部活はバスケットで、毎日走りまわっていました。学校の成績は総合得点430点を超えるので、クラスではトップクラスでした。学業に部活に忙しい日々を送る娘に、朝「行ってらっしゃい」が私の日課でした。
 この年になると、私の極真会館の立場に変化がもたらされました。宮城県本部長師範という県で最高の位置を与えていただいたのでした。さっそく常設道場の開設ということになりました。なかなか安い物件がないので、不動産屋の赤羽先生に頼んで、街中の30坪ほどの倉庫を見つけてもらいました。安い代わりに、内装は全て私たちが手掛けなければならないので、結果的にはかなりお金がかかってしまいました。
 それでも、常設道場ができて、さらなる発展の兆しを持ち始めた時期でした。娘は部活で疲れ果てて空手どころではないという状況でしたが、フレッシュな雰囲気が漂い始めていました。
 中学生になると、学校や友達関係では、仕切り屋ではなく、相談役に成っていて、どちらかといえば相対の立場が表面に出ていました。家に帰ってくると別人になって、長男とはりあったり、妹に八つ当たりしたり、学校でのうっぷんを晴らすように、振舞っていました。
 ある時、長男と口げんかになり、娘の部屋のドア一枚、長男の正拳で「ぼこぼこ」になっていました。今も布切れで隠しているのですが、傷跡が今も彫られています。それでも、長男と順香は、仲良しなのです。物に当りはしたが妹に手は挙げないのです。