2009年5月9日(本部長通信539)
極真空手の美学(芸術論)(2)美学の類型

 美学はどのようなものが具体的に芸術であるのかをまず検討することにします。極真空手から感じ取れる美学であります。道場での稽古の中で追及する美学は、そこに指導者や道場生が織りなす動きが、転移、変形されて、一層多彩な美学として表れるのです。
 その極真空手の動きで、稽古中の美しさは、優雅美、高尚美、雅量美、幼若美の複合及び変形であるとみることができ、さらに、崇高美は厳格美、荘厳美等が融合したものとして表れます。 
 さて、指導する立場から時として道場に展開する美学は、厳格美であり、雅量美であり、広潤美であり、深奥美などが見受けられます。ここから細分化されて、男性美、勇敢美、断行美、慎重美、積極美、信頼美等が現れるのです。
 道場生側つまり、指導を受ける立場からすると、優雅美、高尚美、柔和美としてあらわれます。細分化すれば、より対照的な美、優しい美、明朗美、従順美、として分化されていくのです。もう少し踏み込んでいくと、服従美、忠孝美、幼若美として展開するのです。
 そうすると、道場で形成されうる指導や、道場の雰囲気、さらには、個々に転化していく型や組手は、美を創造しそれを鑑賞されても、それにふさわしい内容として理解されるべきであります。さらに、道場生においては、道場の稽古で対象としての美が発揮され、稽古における道場生の美学として誰もがうらやむ成長の美しさを放つのです。