2009年5月7日(本部長通信537)
極真空手における倫理(9)世界経済不況


 師範として最近の経済情勢についても、考えさせられます。精神を置き去りにした経済体質が目立つように感じられるのです。学生時代は経済学を専攻していましたから余計にそう感じるのかもしれないのです。プライムローンの問題から発生した世界経済の落ち込みの原因も、弱者を相手に金融派生商品を売りさばいて倒産したリーマンブラダースいうことなのです。経済倫理を持たない企業の利益追求欲だけだったのです。
 ヘッジファンド等などの金融派生商品が、実質を伴わないペーパー上の売買が、いとも簡単に崩壊しているというのが現状なのです。精神と実態の概念が完全に消え去ってしまったのであり、経済の実質の市場経済を無視した、法律を掻い潜ったある一定の人間の営利欲だけが先行してしまった結果なのです。
 原則的な売り手と買い手の中に、実質商品の市場経済よりも、均衡関係を崩してまでも貪欲に利益を追求するある一部の人たちのマネーゲームに過ぎないのです。まさに、流通の調和よりも対立を生んでしまった結果、破局が訪れているといって過言でないのです。
 今まで、世界経済は、実質経済を背景にしていましたので、技術革新、商品開発等、前進的な経済発展を遂げてきました。しかし、マネーゲームが長い間に内外共の矛盾へと表面化してきたのであります。それは、市場経済がその本質的機能を喪失しているといっても過言でないのです。
 もちろん、国家の政策が、市場経済をコントロールすることにしても、遂に市場経済の本質的欠陥は表面化され、それが今日の大混乱を引き起こしているのです。だから、師範ンは何を主張するのかというと、市場経済についても、正しい人間としての精神態度が必要であり、健全な経済倫理が要求されることに行きつくのです。