2009年5月6日(本部長通信536)
極真空手における倫理(8)アメリカでの空手指導の感想


 アメリカに指導に行っての率直な感想は、極真空手をこよなく愛しているということなのです。一生懸命なのです。かなり迫力を感じました。しかし、極真空手を実践して、一生懸命頑張っていた人たちが、途中で去っていくことも日本以上に多いのも事実です。アメリカのような教育スタイルは開拓時代には良いが、組織化してからは難しさを感じるのではないかと思えたのです。それは、責任者同士の話し合いが日本以上にうまくいかないのです。
 物質文明が原点であるアメリカの人たちが、武道文化を吸収するにはかなり無理もあると感じました。精神的基準が欠落しているように思えるのです。確かに、空手ですから体を動かすのですが、そこに、外的技術論だけで終わってしまうように思えたのです。
  西洋文明が東洋の精神文明を要求する時代に入っていることは間違いないのです。アメリカ人の食うこと、飲むこと、生きること、すべてやってきているのです。その結果、極真空手を学ぼうという意欲に到達しているということは理解できるのです。
 しかし、アメリカ人は変わりっぽいと感じました。それを考えると極真空手が一つの精神面を動かすには相当の日本からの指導の援助が必要であると感じるのです。