2009年4月16日(本部長通信516)
武道における教育論(6)方法U 規範教育

この内容は、成人し大人になって家庭を守るための準備といって過言でありません。男女が一緒になった場合、調和できるような教育ということになります。すなわち、夫婦になれる資格を備えさせる教育です。そのために自己を律することができるように規範教育を施すのです。
 人間の原則的な内容の確立といって過言ではないのです。個人道徳の確立は当然であります。これは、孔子孟子等先人の教えを請うまでもなく、純粋、正直、正義、節制、勇気、知恵、克己、忍耐、自立、自助、自主、公正、勤勉、清廉等の内容です。もちろん、このような教育は心の教育と併行されなければならないのです。このような規範のために愛が冷却するならば、規範は形式化してしまうのです。
 さらに、人間における人倫、道徳というものは、縦的及び、横的価値観があります。縦的には、父母の価値観があり、子供の価値観があります。それに付随して師の価値観があり、弟子の価値観もあります。横的価値観としては、夫婦の価値観があり、兄弟間の価値観があり、同僚、隣人、地域社会とあるべき価値観があるのです。
 この内容は、宇宙を貫く秩序と法則の価値観であり、生涯にわたって身につけなければならないし、教育すべきなのです。このような観点は、学校では学ぶことができなかったのです。どちらかといえば、東洋思想を学んだとき、つまり、孔子孟子の思想に触れたときに考えさせられたのでした。