2009年3月24日(本部長通信493)
希望を願う師範(18)

 師範は、二四歳の時に妻の千順さんに出会ったのです。瞬間、私は良きパートナーになるのではないかという予感がしました。初めて千順さんが恋人ということでした。それまでは、自分自身の事で精いっぱいで、隣にどんな人がいようともお構いなしという自分の気持でした。大志を持って突き進んでいる自分の姿でありました。
 最初に千順さんに出会った印象は、純真な人であり、ちょうどアルプスの少女ハイジのようなイメージを持った人だと思えたのです。広島の人なので、私との絆の最初は、電話ということなのです。当時は、三分間360円で、少し話しただけで途方もない金額が請求されてくる時代でした。それゆえ、お互い心のこもった手紙のやり取りが始まりました。千順さんからくる手紙は、可愛らしい絵が描かれてとても楽しみにしていたのでした。私の方は、ほぼ殴り書きの文章であり、行き当たりばったりの手紙でした。
 私の気持は、千順さんに対して、純粋な自分であり続けていたいという思いが強かったのです。生涯共に暮らしていけるだけの人間性を築かなければと本気で思っておりました。私にとって初めての女性ということになります。青春を謳歌していましたので、女性との愛情関係は皆無に等しかったのです。
ご多分にもれなく、青春に、本当に好きな人は現れたのですが、じっと我慢ということになり、片思いで、結ばれないプラトニックな思い出の女性が存在したということだけになりました。
 何故、千順さんが私の妻として、いつ迄も歩んでいることができるかというと、妻として信じられ、愛することができ、共に生きられるという心が芽生え成長したからに他ならないのです。人生にとって願ってもない出会いでした。