2009年3月6日 (本部長通信475)
保護司
保護司(ほごし)は、日本の官職のひとつです。保護司法に基づき、法務大臣の委嘱を受けて犯罪や非行に陥った人の更生を支援する非常勤の国家公務員なのです。犯罪や非行に陥った者が保護観察を受けることになると、その期間中、保護観察所の保護観察官とともに、対象者と面接して生活状況を調査します。保護観察中に決められた約束事(遵守事項)を守るように指導をし、生活相談など社会復帰への手助けをするのです。また、刑務所や少年院などの矯正施設に入っている者について、釈放後の帰住先が更生のために適当かどうかを調査します。またその環境を調整するのです。そのほか法務省の主催する「社会を明るくする運動」も中心になって運営し、地域における犯罪予防運動も行うのです。
師範は、法務大臣の委嘱を受けてからもう八年目になっています。保護司としてどのぐらいの社会貢献ができているのかまだまだ自分の足らなさだけが目立ちます。もうすでに数十人の対象者を受け持ってきました。対象者にどれだけのメッセージを伝えたのか疑問にも感じます。ただ、観察期間の終了を迎えて法律的にこれで私の任務は終了ですという内容になっています。
今までは、ひっそりと裏方の任務として静かにミッションをこなしていたのですが、いつの間にか保護司が社会の表舞台に現れてしまうような、不祥事が多くみられるようになりました。最近では、保護司がバイク事故を装って保険金詐欺を行ったなどとニュースで報じられています。「保護司はどうしていたのだ」という一般世論に問いただされてきているのです。保護司の職務は、ある意味で名誉職のように思われて、地方の名士がなることが多かったのです。それが今では責任を問われているのです。それで、その世論に応えるべく、責任ある行政指導がありました。それはまさに、責任を全面的に持ってミッションに臨んでほしいということでした。
ある衆議院議員も、選挙前に保護司の委嘱を願い出てそれが通った内容になっていました。でも、果たして対象者を前に、地道な保護司活動ができるのかといえばそれは疑問を持たざるを得ないのです。今回の保護司に対する指導も、結局はもっと頑張りなさいというメッセージなのです。
保護司活動は20年しっかり努めると法務大臣の表彰があるのです。さらに、70歳を超えて30年程の保護司活動は、内閣総理大臣賞つまり、叙勲の対象となるのです。民間では消防団活動よりも高く評価されているのです。昔でいう叙勲の位が保護司は高いのです。私の所属する宮城野区保護司会でも、この数年何人もの数十年貢献してきた先輩保護司が叙勲の栄誉に輝いています。
私の八年も続いた保護司活動ですが、これからの決意は、保護司としてその名誉を汚すことなく、絶えず自分の身を正して、自分自身を磨き、対象者に向き合っていきたいと決意をするのです。対象者を社会参加させることが私の使命であることを心に刻みながら更なる努力を積み上げていきたいと思っています。