本部長通信448 2009年2月4日

師範の今後の希望(4) 勝利する人生

 師範は、その時、目指した大学も捨て、安楽な生活環境である家も捨て、自分もなんたるか考えるより、自分も否定してからの歩みでした。しかし、何かを求めることにおいて強烈な意志力を持っての生活になったのです。
 すべてを、否定しての青春時代の歩みになったので、生き方としては、広き門を通るのではなく、狭き門を生きようと思う毎日でした。それゆえ、自分でもいまだかつてない情熱を持っていたのかも知れません。
 自分の心の中で、だれもまねできない何かを成し遂げようとする人生として願いはじめたのでした。そこで、最終的に出合ったのが、極真会館ということなのです。
 そして、極真会館での鍛錬の日々が始まりました。最初はまともに先輩とぶつかりましたので、徹底的に組手で倒されてしまう毎日でした。しかし、一年が過ぎたころから、先輩と仲良くなりながら、色帯を上げていく、ずるがしこいやり方を身につけ始めていました。
 先輩に実力で近づくのではなく、審査を何度も早めに受けて帯で先輩を超えていくやり方でした。極真空手は帯順なので、当然先輩の色帯を超えたら、後輩の私に頭を下げなければならない階級社会なのです。先輩方がいい思いをしないのを百も承知で、それでも審査は受け続けていったのでした。
 当然仲の良い先輩後輩から、戦う敵としての後輩として先輩に映り始めたのでした。色帯に対するあくなき挑戦は始まったのです。なぜならば、強くなろうとするよりも、極真会館での立場の強化という途方もない戦略に打って出たのでした。このあくなき欲望のために、そうとう恨まれたことはいがめないのです。