本部長通信447 2009年2月3日

師範の今後の希望(3) 理解しがたい人生

 師範の旅たちは、空手に関して、武道家の家柄ではなく、サラリーマンの家から極真空手の道を歩むことになったのです。それも、私の青春時代は、学生運動の真っただ中でありましたので、帝国主義反対とかあらゆる内容で反社会的な活動になっていたような気がします。
 しかし、結果的に師範は、左翼的な道へは進まず、極真空手という武道の道に進んでいったのです。人に相談して人生を出発したのではなく、東京に向かって家出をするという親に迷惑をかけての旅立ちでした。
 もし、師範が、両親に相談して自分の人生の選択をしたならば、真っ先に反対されたに違いないのです。それゆえ、家出という途方もない迷惑千万なやり方を両親に与えてしまったのです。
 その時の師範の決意は、とても孤独なものでした。世間のなんたるかも知らず、自分の気持の赴くままの、なにものでもなかったのです。何の準備や計画もなく、ただ、家を出て故郷を後にしたのでした。
 それも、両親に知られないように、真夜中荷物を片付けて出て、未成年の家出人としてあてもなく、東京に出て行ったのでした。自分の人生探しが始まったのでした。その時の、師範は極真空手にはまだ出会っていませんでした。