本部長通信424 2009年1月11日

師範の個人的な話(11)

 今日は、長男聖義の成人式である。息子も育って今は二十歳の成人になろうとしている。不思議な気がするが、確かに聖義は成人になるのである。嬉しいやら楽しいやら感無量である。今まで育ってきた聖義の経緯が走馬灯のように脳裏を走る。出産のとき、妻のオッパイを精一杯吸っている姿、初めてよちよち歩きをした時の感動、公園に連れて行った時の砂場での聖義の遊び、一緒に風呂に入って身体を洗ったこと、何でもない日常の生活が思い出された。
 妻の千順さんが二人目の出産に入るので、子供の世話をしてくれる、お手伝いさんをお願いしていた。一歳を過ぎて、聖義がお兄ちゃんになるのである。長女の順香が生まれ、我が家はにぎやかになった。その後一年後に、文誉が生まれてくるようになる。聖義は二人の妹を持つお兄ちゃんに三歳近くにはなっていた。妹の世話をする面倒見の良いお兄ちゃんである。
 五歳になると聖義は故郷仙台で育つようになる。空手を始めていく。小学校、中学校、高校と父子の絆は無限に広がっていく。それがあまりにも嬉しすぎて、父親が教育に絶えず干渉していく。それが今は成人式なのである。もう、聖義は独り立ちでこの厳しい社会の荒波にさらされることになるのである。
 聖義との深い絆は、師範にとって永遠の故郷である。私の心のあふれるところである。また私の心情の安息所であり、そこに、私の心が運行するのである。親子の人情を揺り動かす関係、師範は息子聖義によって、あまりにも恵まれたのである。