本部長通信412 2008年12月30日

極真空手の幼児期における心の教育H

道場における心の教育
 先に中央審議会の最終答申や幼稚園教育要領における心の教育に概観したが、その必要性を叫ばれた背景には、最初の自己形成の時期である幼児期から「生命の大切さ、人を思いやる気持ち、自己制御」などが不足していたとの指摘があったからである。
@ 心の教育は、指導者が子供たちとの信頼関係を築くことから始まる。つまり、指導者はどんな子供であっても、一人一人のコミュニケーションを図らなければならない。子供たち一人ひとりを知って、やさしく子供たちに寄り添いながら、行動をともにする。子供たちの立場を理解するところから始まる。その際、指導者の温かい寛容な気持ちと、安定して子どもたちを見守る姿勢が要求される。
A 心の教育は子供たちの「生きる力」を信頼し、丁寧に関わることである。道場はまさに、「生きる力」の源泉である。礼儀作法に見る人間関係の確立、稽古における、気合と、はっきりした身体の動き、元気な子供たちを育成していく環境である。この環境で本来子供たちが求めている、成長しようとする生命力を大いに助長するようになる。
道場では、組み手などがあって、挫折感、葛藤、摩擦なども生じるが、相手の痛みを知って思いやる心を育て、どんなことにも負けない、「しなやかな心」を築いていくことになる。つまり、雪の重みでしなる竹が、ある程度まで来ると、雪を跳ね飛ばしてしまうような、強い柔軟性を確立させるのである。
B 心の教育に人間味あふれる日常の道場の教育実践の中にある。この心の教育を目指すために、道場は、段階ごとの教育レベルを設け、空手着の帯の色で判別している。道場での親切や思いやりを通じて、喜びや感謝の気持ちを味わい、道場生同士トラブルがあった時は、そのことによって、自らを反省する心を養うのである。トラブルの中から、自己制御や自己創造、また、道場のルールをより深く理解するようになるのである。このような環境で子供たち一人一人が、生命の尊さ、人間の素晴らしさを体験していくことは間違いないのである。このような体験は幼児期から、基礎となると考える。