本部長通信392 2008年12月10日

黒帯B


 正常なコースを経ない人が黒帯を取得したために、障害が多く出てきたのも知っている。なぜなら、審査はその人の今の人間性を見るからである。会長の理念は、10人組み手を達成したからといって、黒帯ではないと常々語る。人格としての内容である。しかし、黒帯を取得してどうするかは、師範は干渉することができない。黒帯の責任というものがある。全うして黒帯にふさわしい人物になるかどうかは、本人次第なのである。
 したがって、師範は、試験官の立場に立ち、当面は敵と同じとみなして差支えない。師範がそのように試験官の立場に立たなければ、自然に自己崩壊して、崩れてしまう黒帯たちをどうすればいいのか。それを師範はどうすることもできない。
 黒帯を締めたものが黒帯の価値を知らなければならない。道場生の見本とならなければ、指導を受けた道場生が文句をいう時が必ず来る。それゆえ、下剋上も起こる。だから、黒帯は本人のために良いのではなく、あとから修練を積む道場生を良くするために良いということをしっかり認識すべきである。さらに、追いつかれないように努力せよ。そして、極真の新しい歴史を作らなければならないのである。
 だから、はっきり言う。黒帯は荷物になってはいけないのでる。責任を果たさなければ、禍になる。腐った根に接ぎ木することはまずない。極真の伝統を引き継がせることはできない。