本部長通信391 2008年12月9日

黒帯A


 黒帯は、実体を誇りなさい。特に、首から上、すなわち、目と耳と口に気をつけなければならない。選んで見るし、選んで聞くし、そして、口で噛みしめて「黙して語らず」なのである。絶えず、権威と誇りを持って責任的位置で判定しなければならない。
 不十分な立場で黒帯を締めるとしたならば、わら一本でも、自分を空手道の前に供えるとう心は絶えず持つべきである。そして、極真の道理を立てて、道場生から後ろ指を指されないように努力すべきである。そして、信頼の基盤を築くのである。
 その次に、黒帯は自分を誇ることができなければならない。必ず黒帯を締めるということは、隣の人が後ろ指を指すということであるし、批判の的になるということである。黒帯が責任を果たせなければ、次のレベルのものが取って替わるのである。黒帯をしめたのち、その黒帯を奪おうとする試練は必ず来る。試練に負けて、去ってしまった人も多くいる。さらに最悪なことに、黒帯を上げた師範が奪ってしまうこともある。今まで、指導して導いてきたにもかかわらず、ある一定の期間で公認されなければ、極真の伝統に面目がないのである。師範が手を出さなくても奪われた人たちは沢山いる。師範は、もしかしたら、黒帯を取得した者が、極真の歴史に汚点を残して、怨讐となりはしないかと心配する。