本部長通信351 2008年10月30日

極真空手道


二 天上天下唯我独尊の魂
 人間の機能、性質、能力の側面も検討しなければならないことである。特に人間の愛、言葉と構想(ロゴス)、創造性があげられよう。武人はある意味で、魂の究極を磨かなければならないのである。
(一)心情
愛は人間が喜ぼうとする情的な衝動である。人間が生活せざるを得ない理由がなくてはならない。それが、喜ぼうとする衝動に他ならない。それは人間にとって抑制することができない衝動である。逆も真なりで、喜びが抑制しがたい衝動であるのは、喜びは愛ということを通じてのみ獲得することができるからである。武人の生き方として、愛的人間を目指すべきである。魂を鍛えて一体なんになるかというと、武人が愛情の本質を貫かなければ意味がないということである。
 愛は命より実に強いのである。愛する人のために自分が犠牲になることは当たり前のようにある。普通の社会環境でも、親は子供のためにすべてを投げうって生活している。あるいは、太宰治によることもなく、愛ゆえに命を投げうってしまうようになる。
 結局、真の喜びは、愛することによってのみ得ることができると良心は訴えるのである。その愛の対象として、すなわち喜びの対象として男女が存在し、家族が、社会が存在しているといって過言ではないのである。この愛というものは知情意の諸機能を根底において発揮させているといって過言ではない。人間が生活する上での原動力であることは間違いないのである。
  家庭生活や、社会生活を営むことにおいて、このような愛の衝動が有ればこそ人が生きる喜びを感じているのである。これで武人として生きようとする生命の動機を明らかにした。