本部長通信350 2008年10月29日

極真空手道


 (三)個性
 人間は特性をもった存在である。一人ひとりが全く違う。表現において、たとえば第一に、容貌が違う。第二に行動が各々違う。第三に、創造性も各々違っているのである。個性が多様であるということで、人類誰一人として同じになりえないのである。この個性をいかに磨くことができようか。その最大の方法と鍛練方法を極真空手は武士道という理念に頼ったのである。
 原則的に、個性は尊重されなければならない。人間の素晴らしさを認識しなければならないのである。人道主義の根拠も武士道によらずとも、ここに出発点を見出さなければならないと思う。
武士道は人間のこのような個性を引き出す方法であったのだと思う。人間の内にある戦闘能力は普遍的で自然なものであり、人間の個性が気高い感情と男らしい美徳を生み出すことなのである。そして、武士道の戦う本能のなかに、もっと神々しい本能である愛の本質が潜んでいる。神道、孔子、孟子、王陽明は、みなはっきりとその事実を教えたことはすでに見た。