本部長通信349 2008年10月28日

極真空手道


(3)人間としての理想
 人間は、秩序の形成と通じた愛の実現をしようとしている。武士道の目的も、家庭と地域社会に愛を動機として貢献するものである。人間は無限に家族を愛するために、家族には調和が生み出されるのである。もちろん地域社会に至っても同じことである。
 愛情とういうものを通じても、武士道は、秩序の形成がなされる。時間の流れとともに、祖父母、父母、子女と三代に渡って愛情が受け継がれていく。その一代では、夫婦の調和が、兄弟姉妹でも良き相互関係が生まれてくる。これは、不思議に宇宙の動きに似ているかもしれない。
 秩序とともに、愛の実現がなされる。縦的には父母が子女を愛する愛であり、反対に子女が父母を愛する愛として実現されていく。夫婦間では水平的な愛の実現がなされよう。これらの秩序が、家庭倫理を形成し、父母の愛を慈愛という表現で子供を見つめる表現がなされ、子供たちが父母を愛する愛を忠孝とか孝誠とかと表現される。夫婦の愛はお互い愛するのであるから和愛であろうし、兄弟姉妹ないし友との相互関係の愛は友愛にあたる。愛に高い価値観が付与されるのである。
 このような価値観から家庭の倫理が生まれ、企業倫理も、学校の規範も展開されるのである。地域社会のすべての倫理は、家庭的倫理を基礎として、隣人愛、民族愛、人類愛などが生まれよう。そういうことを検討すると人間は、愛的存在なのかもしれない。この愛的存在ということも、お互いの調和があってなされることなのである。