本部長通信341 2008年10月20日

極真空手道


 (4)身体を心に屈服させる「礼」
 外観から入ると、正しい礼儀作法ということが言える。人間の体のすべての部分、すべての機能が完全な秩序を保ち、身体そのものおよびその環境ともよく調和して、身体に対する精神の支配を表現するほどになっているのである。
 道場では礼儀が不可欠になってくる。青年に対して、道場での学び方を教えるにあたっては、道場生との挨拶で、どのように頭を下げなければならないか、歩き方、座り方はどうしなければならないかを、細心の注意を払って教える。
 上記の内容は形式的なことであって、本質的には、礼は、「忍耐強い、情け深い、ねたまない、自慢しない、高ぶらない、礼を失せず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みを抱かない」ということができよう。これは愛を礼に置き換えて聖書の言葉を引用した。
 このように、本当の礼は、他人に対しての心情に対しての愛情的配慮が外に現れたものであるべきである。この内容は、衣食住の物質生活を越えたところに置かれるのである。
まさに、精神と肉体が共鳴し合って、武人として人格への成長につながるものであると思われる。