本部長通信339 2008年10月18日

極真空手道


 (2)価値の生活を志向する「勇気」
 「勇気」の精神態度としては、平静すなわち落ち着いた沈着冷静によって明示される。平穏とは精神の寛容な状態にある「勇気」である。敢為の行為が勇気の動的表現であるにたいして、平穏はその静的顕現である。真に勇ましい人は常に静穏である。彼が不意に襲われて驚くことは決してしない。彼の心の落着きをかき乱すものは何一つないのである。
 猛烈な戦闘の中であっても、彼は冷静さを保ち、大災害のただ中であっても、彼は心の水準を保つのである。危険や死の脅威にも沈着を保つ人であり、たとえ死に直面しても詩を口ずさむことができる人こそ本当の「勇気」がある人である。
 さらに、「勇気」は「義」のために実践されなければ、精神態度の中に数えられないのでる。孔子は論語の中で「義を見てなさざるは勇なきなり。」と言っている。「勇気」は青少年の心にきわめて容易に訴えかけ、鍛錬と模範で訓練できる魂を高める性質であるから、青少年の間で早いころから見習わせたいのである。