本部長通信321 2008年9月30日

極真空手道


2.男と女
 プラスとマイナスの側面を持っているのは、男と女である。人類の半々をなしている。武士道は何よりも男性のために作られた教えであるから、それが女性において賞賛した美徳もおのずから、特に女性的なものとは程遠いように思える。
 女性も、戦場で戦う男性と同じように、武器の使用もしていた。ナギナタが一つの例であるが、思いがけぬ困難に対して身を守るように訓練されていた。すなわち、自己自身を守る護身のためと家庭のためであった。女性には君主はいなかったので自分自身の護身が願われたことになる。またそれは子供の教育に連結していた。
 男らしいことが女性の理想と誤解されては公平さを欠いてしまう。芸のたしなみやもっと穏やかな人生の優雅が、女性には求められた。音楽、舞踊、文芸も無視することはできない。日本文学での最も美しい歌のいくつかは、女性らしい感情を表したものであった。純文学の重要な役割を演じたのも女性であった。
 女性の芸のたしなみは、家で客を厚くもてなす工夫の一部であった。家庭中心こそ日本女性の教育方針であった。 女性たちは家の名誉と高潔を保つためにこそ、自ら仕え、苦労して働き、その命までも捨てたのである。女性は、娘としては父のために、妻としては夫のために、母としては息子のために、身を犠牲にしたのである。