本部長通信320 2008年9月29日

極真空手道


 厳密な倫理の教えについては、孔子の教えが、武士道の最も滋養に富む源流なのであろう。行使の人倫五常の論述、主従関係、父子、夫婦、長幼、盟友は、孔子の著作が中国に導入される以前から、民族本能が既に確認していた追認になっていた。孔子の政治倫理は静かで、温和で、世の中の知恵に適っていて、支配階級をなしていた武士道に合致していた。
 孔子に次いでは孟子が、武士道に大きな影響を与えた。孟子の力強い、またしばしば民主的な理論は、同情心あつい人々にはとりわけ関心を引いた。
 そして、武士道は、両聖賢の古典を知っただけではなく、知識が本当に知識となるのは、その学ぶ人の心の中に同化され、その人の人格に現れたときだけ認められたのである。つまり、体に影響を与えたときだけといって過言でない。
 そして、体現することを特に主張したのが中国の儒学者王陽明であった。彼は、「知行合一」を主張した。つまり、人格の個性と平静沈着な気質とを発展させるうえでは、その道徳的意味合いが強かったのである。