本部長通信295 2008年9月4日

極真空手道


(三) 精神論が現実問題の解決に影響を及ぼす実例
 ここでは、精神論の根拠に関する代表的な見解を紹介する。
(1) 理気説
 東洋哲学の代表的なものとして、宇宙の本体は、理と気であって、理の作用と、気である陰陽の相互作用によって、宇宙が変化し、人生の吉凶禍福が生ずるという説で、これは人生と自然を支配する法則を主として扱っている。
 従って、理気説では、人間も自然の一部として扱われている。法則に従って生活する調和の原則が、東洋精神の核心となっている。
この精神は、秩序の確立と平和維持に必要であるけれど、社会が混乱したときには、すべての事例を法則にのみ任せ、傍観ないし隠遁しようとする傾向を生んだ。また、自然に合わせることに重きを置き、自然を開拓する環境管理の精神の発達を阻害した。東洋社会の科学の発展が遅れたのもこのためであろう。