本部長通信248 2008年7月19日

道場生に対する指導者の希望(7)


 道場生という一人一人は、師範にとってかけがえのない存在なのです。もし、師範が道場で、誰もいないのに大きな身振りをしながら基本の稽古をしていたらどうでしょうか。大声で気合を入れて、近所迷惑なように稽古をしていたら、あれは気違いかと誰もが笑ってしまうかもしれません。
 しかし、師範の前に、一人の小さな子供がいて、師範に応える対象があって、師範の心と魂を小さな子供に注入しているとしたら、誰も気違いと思わないのです。師範はいるのですが、ただひとつの違いは何であるかというと、小さな子供がいるのかと、誰もいないということなのです。
 師範が言いたいのは、道場生の価値ということなのです。生涯空手の道を究めてきたのでありますが、稽古する場合いて道場生を必要とすることなのです。道場生は昨日入門したばかりでも師範と等しい位置を持つのです。もしそうでなければ、喜んで指導などできないのです。