本部長通信197  2008年5月30日

極真精神と我々(11)


 師範が立てなければならない問題がありました。それは、家庭を大切にするということでした。三人の子供は、当時、三歳、四歳、五歳と育ちざかりでした。朝に保育園に連れていき、夕方5時以降は、大学の食堂に置き、夜の7時には道場で稽古をさせ、9時からは健康ランドへ直行し親子の絆を深く結ぶ連続でした。
 師範は、夜の稽古後週二回、健康ランドへ道場の子供たちの親から許可を取り、一緒に9人乗りのワゴンで移動しました。夜は子供たちと11時頃帰ってきますから、子供たちは朝までぐっすりでした。師範は、寝顔を見ながらのねじり鉢巻きの勉強でした。今思えばむちゃそのものでした。
 我が子以上に、道場生と道場生の家族を愛し尽しました。本当の道場における家族圏を目指したのです。子供たちへの信念は、妻のお腹にいる時から、愛情をかけ続けようと決心していたのでした。それ以上に、道場生には心を砕く決心だったのでした。そうでないとわが子への愛情も続かないのです。気持の中から燃え上がる愛情を注ぐことが師範の思いでした。

師範稽古 長町教室 新田教室 移動突き40分