2019年8月7日(八段語録3601)
立ち返り


 人生は迷路にハマることがよくあります。
例えば、かつてナビが無かった時、車を運転していて目的地を失った場合、どうしていたか考えることがあります。
私の場合、二つの方法で目的地に到着していました。
一つの方法は、迷ったと思ったその場所で道を聞くという事でした。
また、夜ともなると聞くことができないので、分かっている場所に戻るという行動を取ったものです。

さて、目的地を失った場合、二つの方法で良いのですが、人生行路となるとなかなか思うようにはいかないのです。
特に、更生保護のミッションをしていると、犯罪者が同じ過ちをするという、再犯事例が後を絶ちません。
私が再犯を犯さないようにする為に、努力している事があります。
罪を犯した人に良い思い出を、思い出してもらうという作業をするのです。
単純ではないのですが、その時に、立ち返ると良いことが連想されるし、力も沸くという現象も生まれるのです。

更生保護にかかわらず、私も人生の迷路にハマった場合には、親に育てられた思い出を脳裏に思い浮かべるのです。
精神的に愛情に包まれたその時に帰るという作業をするわけです。
この作業が、実に効果覿面なのです。
最終的に、良い発想が頭を去来して、いつしか良き精神状態を取り戻し、迷路から脱却することができたものです。

ところで、人生を歩み続けると、色々なしがらみに囲まれるものです。
私は、そんな時、争いを避けるという事に全力を傾けます。
多くは、当事者である人に、選択権を譲るという事をします。
また、私の場合、親から受けついた僅かな富を所有していますが、その富が私を所有するという事は無いのです。
今も以前と変わらず、金銭を追い求めることなく、武道人生を歩んでいるのです。

これは、理性を超越して、極真に人生を打ち込んでいる自分の姿だからでしょう。
そのような、人生が私にとっては、最高の立ち直りのような気がします。
親の愛情が原点になって、極真を貫くというのが最大の立ち直りであるように思うのでした。