2012年10月10日(八段語録1831)

極真空手の新しい使命

 極真空手は何を教えなければならないのでしょうか。漠然とした内容を教えるようでは不確実な空手道になってしまいます。極真空手の原点を指導するのです。つまり、大山総裁の人格がにじみ出るような指導でなければならないのです。それだから、大山総裁から直接指導を受けた先輩の力は大きいのです。そうでなければただの流言飛語にすぎなのです。
 空手道を中心とした既存の団体の体系は、実に分裂を重ね崩壊してしまっているのです。それは、空手道が社会に対する役割を忘れてしまったからに他ならないのです。実際の青年教育に対する指導力を喪失したからなのです。道場で武道精神を指導できなくなってからは、生活のみに偏った生き方しか指導できないのです。ある意味で、現実が手段ではなく、目的化したのであり、享楽が当然のこととなり、人間性は肉欲と物欲によって麻痺し、動物化してしまっているのです。
 このような土壌の上では、極真精神が、奉仕や修行といった道場の価値観が引き続き存在することはできないようになってしまっているのです。なおかつ、現代社会の組織化、大型化、機械化の傾向は、非人間化、そして、インターネットの普及によるバーチャル空間に至っては、人間疎外の現象を加速化し、個人の矮小化、部品化の趨勢を煽り立てているのです。
 極真空手は、現代の問題を消化し、現代人を説得しえる武道でなければならないのです。大山総裁の息吹が聞こえ、その精神で教育し、その精神で人間の人格を高め、天地自由人としての生き方ができる人物を輩出しなければならないのです。