本部長通信183  2008年5月16日

開拓の道(3)


 組織がどのように失われていくか深く考えていかなければならないと思うのです。なぜならば、師範の位置を確立することが重要な使命であるからなのです。師範は誰も嫌がることを率先してやることが一番重要であると決意していました。そのために、毎日が闘いの連続であることは間違いないことでした。
 師範の立場を確立するために、過去の栄光はすべて捨てることから始まりました。そこで歩んだことは、支えてくれている、指導員が苦労していると思わせない闘いでした。道場で一番大変なことは、生徒を増やす努力でした。指導する努力はその時間で決着を見ますが、増やす闘いは雲をつかむような話なのです。そして、それを今まで続けてきたのでした。歩みの中で、足を痛め、筋がおかしくなり、歩くのが苦痛であるときが何度も襲ってきました。
 責任者がふんぞり返って過去の栄光に浸って何もしないという行為が、余りにも耳にしていましたのです。それゆえ、足が動かなくなろうと最初に決意した心に帰って行こうとすることを十分心掛けたのでした。それは、一緒に歩んできた指導員から、信頼を受けることが第一の願いだったのです。
 師範は、運営が大変なことは百も承知であります。組織が大きくなって、指導員の心を和らげるのは、収益のほとんどを贈り物としてみんなに公平に分け与えることと思っていたのです。決して空手は事業として成り立つものではないのです。しかし、指導員から歓迎されるのは、公平な配分であることは間違いないと思っていたのです。それゆえ、師範は師範の立場を確立していく道が開けるのだと思っていたのです。

師範稽古 長町教室 新田教室 移動蹴り40分