2018年12月23日(八段語録3432)
道場生の戒め

 道場生の日々の稽古には、幸いと災いが交差していることに気づくべきです。
それだけに、極真の道を進み、師範の命令と掟と定めとを守るように命じるのです。
第一に、心から知性を尽くして、体でもって、全身全霊極真空手を愛することです。
第二に、道場生同士が、極真の道を全うすることができるように協力することです。

特に強調することは第一の事です。強制されることでもなく自発的な事なのですが、自分の帯の色という立場にあった内容を繰り返し身に着けましょう。
基本・移動・型・組手を日々意欲と喜びをもって鍛錬するという事です。
そうでなければ、燃え尽き症候群に陥って、立ち直ることができなくなります。

少年部においても、一般部においても、極真の道において、あまり急がないことです。
確かに上手下手は、個性として現れます。
だからといって、その差はいずれ埋まるのです。
稽古の年数が解決してくれるのです。
それよりも、焦り過ぎて、燃え尽きてしまって、再び立ち直れないのが怖いのです。

多くの優秀な道場生が、失望・落胆・空虚感・倦怠感・フラストレーションに陥り辞めていくのです。
これは、選手会に多い、ミニストリーの落とし穴なのです。
指導者は、焦らずに、その帯に合った内容で指導すべきです。
特に、一つの型は何万回もその帯で習熟していかないと、内容が無くなるのです。

極真空手に熱心である選手会に多く現れる現象なのです。
色々な事を学んで、型も多く習得すれば、成長していくだろうと錯覚しがちなのです。
しかし、それは間違いです。
決して、心身が強くなることには繋がらないのです。

大会に優勝して、多くの賞を得たとしても、体験しすぎて何の感動も無くなるのです。
よくあることは、大会に慣れて、自分自身はむしろ醒めて、心が満たされなくなるのです。
確かに、人も羨むような活躍をし、人からの称賛を得るようなことは、心が満たされるように感じるのです。
ところが、そこには多くの落とし穴があることを指導者も選手も理解すべきです。

道場生に悲劇を起こさないためにも、燃え尽きてしまわないようにすべきです。
大会で賞を得ることが、自分の内ではなく、親であったり自分の外に置かれるのです。
それよりも、日々の稽古で極真空手という土壌を日々作っていく方が良いのです。
何よりも、日々の稽古を大切にして、成長させるという事を第一として立ち戻りましょう。
大会の入賞は、稽古の延長とみるべきです。

この第一の戒めが優先されるところにおいて、活力が与え続けられるというものです。
日々の稽古と、道場生同士の絆が自分を高めていくのです。
そこから、理想や希望が大きく花開いてくのです。
その事に留まり、極真の稽古の土壌の中で、じっくり育つならば、個性が生かされて素晴らしくもなるというものです。