2018年7月20日(八段語録3350)
道場責任者ビタリー宅にて


 去年の昇段審査で二段に昇進した道場生の自宅に宿泊させてもらいました。
ウクライナ出身でベルギーに移民として移ってきた道場生です。
ジャーナリスト出身で、今はラジオ局で務めているのです。
彼の妻は、看護婦の人材派遣会社を作っているという事でした。

三階建ての持ち家で中流階級という事なのでしょう。
中庭もあり、部屋の中は、大理石の階段や広い事務室、そしてキッチンと綺麗にしています。
彼の家は、リア市という人口三十万人の古都という雰囲気が漂う街にあるのです。
彼の道場もスポーツセンターの中にあって、広々していました。

街の中で、予約されていたレストランは、この街の歴史を伺える建造物でした。
ランチはというならば、食べることができない程、運ばれてきました。
日本人の私としては、ゆっくり時間をかけて食べるほかはないという事です。
それでも、一緒に指導に参加している伊藤世界事務局長は、いとも早く食べてしまいます。

側にいて、若さがあるゆえの、食欲であると思って感動していました。
街は、教会がしっかり守っている風景なのです。
教会の中に入っていくと、カソリック教会の伝統が何百年も続いているのです。
静かに、両手を合わせると、心を天に向かわせてくれる雰囲気を醸し出してくれるのです。

 街を散策しながら、かつてナポレオンが征服した丘に登っていきました。
街の農民が立ち上がって征服に対して反旗を翻した歴史があるという事でした。
ナポレオンと聞くと、私の幼少の頃を思い出すのです。
母方の祖父が、私をナポレオンと呼んでくれていたのです。

というのも、小さい頃の私は、赤毛で天然パーマが掛かっていたのです。
ちょうど絵画のナポレオンのようだったようです。
西洋人のような風貌の子供であったのです。
それだけに、今でも祖父の声が私の脳裏をかすめるのです。

街の観光を終えて、ビタリー宅に到着すると、奥さんと娘さんが夕食の準備をして下さっていました。
カナダのステファン師範での夕食もミートのスパゲティでしたが、不思議なものです。
ビタリー宅でも同じメニューだったのです。
もちろん、有難い歓迎の夕食に心から喜んで、料理に舌鼓を打ったという事です。

夕食を終えて、心地よい風がテラスを横切るようになると、幻想的になります。
カナダの夢道場でのコーラスのように、この家族でも、歌とピアノそしてギター演奏が始まりました。
この家族が教会でコーラス隊に入って、歌を歌っているというのです。
ユーチューブのコーラスをスピーカーで流して、ひと時の時間を楽しんだのでした。

 そのような幸せな時間が、静かに流れて行きました。
実に神秘の境地に入っているのです。
このような素晴らしい家族との交流ができるという手塚グループに乾杯です。
一人でいても、何も刺激はありませんが、このような家族を訪ねるとすごい刺激になります。

どんなに研究しても、このような家族の愛情を最高の場を味わうことができないのです。
愛情が交差し、生命が交差し、理想が交差する家族という世界なのです。
私自身の生命が躍動しているのを肌で感じるのです。
手塚グループの理想がここでも表現されているかという思いにもなります。

人として貴い時間を過ごさせてもらっているという気持ちが震えにもなります。
ビタリーはこの時間、精いっぱい私達の為に生きてくれています。
最高の愛情をキャッチすることができる会長でありたいと心から思うのでした。