2018年3月27日(八段語録3241)
大掃除「黄色いリボン」


 広島出張から帰ってきて、仙台は三日間に渡って天気は、晴れマークです。
勿体ないので、ベッドの敷布から掛布団まで、ベランダに持っていって乾かしました。
それでおしまいにすれば、良かったのですが、部屋の模様替えと片づけが始まりました。
掃除機、雑巾とあらゆる掃除用品を取り揃えて一日がかりの清掃を始めてしまったのです。

手塚会長の代わりに、このグループを率いていくという事で、「しっかりしなければ」と思うが故の掃除なのでしょう。
手塚会長と二十数年歩んで、お互いに夢に心酔してきたのです。
その夢が、誰にも奪われない私達二人の中心となってきたのです。
会長に先立たれて、それで終わったかというならば、二人の夢がまだまだ続くのです。

手塚会長は、「黄色いリボン」のようです。
例え多くの失敗を繰り返し、弟子に裏切られても、四十年の間の経験を後輩の私達に伝えてくれるのです。
経験が豊富だけに、適材適所の人材の登用をして、それに対しての采配もするのです。
七十歳を越えようが、最前線で一緒になって夢を追ってきたのです。

経営者というよりは、軍曹のような現場主義を貫いたのです。
そして、極真の名誉を守り、人知れず開拓の道を歩み続けたのです。
そのような会長の姿を思い描きながら、私も軍曹のように最前線で戦う気持ちなのです。
その事を思って、晴れ渡る日差しの中で、部屋掃除から部屋の配置換えまで、一日がかりになったのです。

 さて、確かに手塚グループは、何度となく混乱してきました。
それでも、例えこのグループを破壊しても、しっかりとした「家族」という中心を持っていたのです。
人は裏切っていったり、代わったりしましたが、夢の中心は変わらずに、動揺もしませんでした。
夢の理想を実現するために、その「中心」を求めながら世界を回ってきたのです。

今の手塚グループの運営は、入ってみなければ分からないことが多いのです。
というのも、トップダウンという方式は決して取らないのです。
「家族」としての親であり、兄弟での対応という事なのです。
お互い尊敬して、一つの問題に対しては、誠意をもって解決しようとするのです。

確かに、チャンピオンを出すとかという事で、結果を出せば済むことなのです。
しかし、多くのチャンピオン達が、師を裏切ってきた歴史を持つ極真なのです。
それだけに、信頼関係の構築からこのグループを運営してきたのです。
チャンピオンになったからと言って、特別な待遇はしないのです。
それを不満に思って去っていった人達もいました。

それでも、次の時代を担う指導者を育てようと努力していたのです。
そして、直接に現場を指導する指導者の育成を図ろうとしたのです。
手塚会長の「黄色いリボン」という意味は、放蕩息子が必ず戻ってくるという意味が強いのです。
裏切った弟子でも、必ず戻ってくるという精神で満ちているのです。

 ところで、私の場合の「黄色いリボン」は、更生保護という側面が強いのです。
いつの間にか、保護司を十八年も務めているのです。
更生施設から社会に出ていく人に対して、愛情をもって対応するという事です。
この活動は、直接裏切られるわけではないので、愛情を持ちやすいのです。

手塚会長の場合の「黄色いリボン」は、直接心情蹂躙して裏切っていった人達が対象なのです。
このような心の持ち方を夢として追い続けてきたのですから、感服するのです。
それだけでも、尊敬に値するというものです。
関東の師範で、何度の「辞める」と公言していた人がいました。
「辞める」という事は、手塚会長からどの本部長も聞いていたことなのです。

それでも、手塚会長は、懐に抱いて息子のように可愛がっていました。
心を通じるように、一緒に海外に出かけ、内容がある人物として対応したのです。
そして、その人は一国一城の指導者になって、元気で頑張っているのです。
もちろん、同じグループで一緒に汗を流すことを願うのです。
それでも、放蕩息子のように再び戻ってくると信じた会長の姿を思い出されるのです。

私が会長という職位が素晴らしいからなっているのではないのです。
あくまでも「黄色いリボン」の手塚会長の意思を継いでいきたいからなのです。
この立場であるならば、全体に「黄色いリボン」を掛けることができるというものです。
最後まで、自分を捨てて、例え裏切られても誰からも何も奪わないという精神なのです。

 結論として、「黄色いリボン」の拠点になろうとするのです。
更生保護での対象者に対する奉仕精神も大切な事です。
それ以上に、裏切っていった人達が戻ってくると信じて、対応する心こそ本物であるのです。
その本物を目指して、今日は掃除に邁進したのでした。

とても、部屋は綺麗になりました。
この部屋の外に、高倉健の映画のように「黄色いハンカチ」をいっぱいつけて、風に揺らしたい心境です。
「黄色いリボン」の拠点になるように努力です。
私が会長として日々願う内容の拠点であり、世界への発信基地なのです。