2018年1月24日(八段語録3187)
日々精進


 大寒が過ぎて、本格的に冬将軍が居座っています。
数年に一度の寒気が、日本列島を覆いつくしています。
昨日、妻の千順さんが、マンションのエレベーターを降りて廊下を急いでいたのです。
床が凍っていたために、足を取られて滑ってしまい、胸部を打撲してしまいました。

小走りに動いて、いつも小回りを利かせているのですが、今回は裏目に出たようです。
肋骨付近から、痛みが生じるようで、実に気の毒なのです。
夫としては、何もして上げられないので、ただ傍観するだけなのです。
労わろうとする心だけしか、示すことができないので、もどかしさが膨らみます。

そこで私は、「痛さより愛情じゃない」という気持ちで、秋保温泉で湯治に出かけました。
一日温泉に浸かれば、痛みも和らぐであろうという配慮もあるわけです。
下宿の女将さんとして四六時中仕事をしているので、癒しの時間は必要です。
もうすでに、私の母から妻がバトンタッチしてから、二十五年になるのです。

母も二十数年で下宿の女将さんを降りました。
私の妻も、下宿の女将さんを卒業する時期にあると思っているのです。
できるだけ、疲れた身体を癒して、安らいで貰いたいのです。
それで、晩年を一緒に旅行に出かけるというのが二人の願いなのです。

 さて、下宿屋は、五十年の歳月営んできました。
建物も老朽化しているのです。
また、トイレと風呂が共同という事もあって、最近になると入居も敬遠されてしまいます。
今居住している人たちは、高齢者が多くなって、疑似老人ホームのようです。

妻の仕事は、朝食の支度をするので、五時には起床します。
早く出かける人がいるので、六時には食事を出すのです。
ランチは出しませんが、夕方になると六時過ぎにはテーブルに食事が並ぶのです。
母の介護を含めると、朝から晩まで働き詰めなのです。

一日のスケジュールをみても、家事だけでなく、下宿業、母の介護と一日があっという間に過ぎているのです。
日々を、妻がこのような役割を不満も言わずに、地道にこなしているのです。
それだけでなく、子供達にも目を光らせて、母親として面倒を見ているのです。
私にとっても、家族にとっても、よくできた妻であり母なのです。

結局、褒めることになるのですがから、それだけに私は頭が上がりません。
自分の好きなことに全力で投入できるのも、妻のおかげという事になるからです。
地域貢献や極真の活動が、今も続けることができるのも、この妻があってという事でしょう。
私の家族を知る人は、妻を褒めるのです。
そして、私に対しては果報者のように見下されてしまいます。

 そんな中で、日本住宅という建設会社の営業が去年の四月から頻繁出入りしているのです。
もう古くなった、六十年近い下宿棟の建て替えの提案でした。
全く、興味を示していなかったのですが、震災復興基金を活用できるという情報でした。
実は、下宿棟が震災で半壊扱いになっているのです。

夏ごろには、下宿棟をアパートにするという提案がありました。
さらに、設計図も何度も修正して、現状に合った部屋の活用をするという事でした。
もちろん、資金面は公庫からの融資という事になります。
火の車の家計運営ですから、貯蓄が十分に溜まっているという事は無いのです。

十月頃になると、日本住宅機構からの融資の資料作りを始めていました。
三十五年ローンという事で、私と息子の二代でもって返済するという事です。
家賃から返済金と諸経費を引くのですが、収益が十分に上がるという事でもないのです。
それでも、金利が安いという事で、年金に補足するぐらいにはなるという事でした。

十二月になると、日本住宅機構さんとの面接になりました。
税理士と会計が一緒に面談に臨みました。
借りる金額に対する保証協会の了承を得たのが、一月半ばでした。
そして、下旬には融資の決定したのでした。

 結果一年近い年月で建て替えをするという事になったのです。
アパート経営での収益はそんなに望めないのです。
それでも、妻を下宿の女将から解放したいというのが動機なのです。
そして、できるだけ妻と寄り添って余生を過ごしたいという事です。

そのような下宿棟の建て替えという事もあって、我が家でも忙しくなります。
今の下宿棟を解体するのに、時間がかかります。
それから、土台を築いて、建物を建てるのですから、一大事業という事です。
自宅の隣ですので、これから業者としっかり打ち合わせていくという事です。

一月中には、下宿を終わらせるという事を入居者にお話しするのです。
六月いっぱいで下宿業を終了するという事を理解してもらって、転居してもらうのです。
また、今の自宅は、長男と一緒に住める二世帯住宅になっているのです。
孫たちが成長すると、私達夫婦は隣のアパートに移動しなければならないことにもなります。

今年の計画に対して、順調に推し進めていくことができるように日々精進です。
棚から牡丹餅という事はないのです。
個人の精進から家族を守り、地域社会に貢献して、さらに極真会館の発展に尽くすという事です。
今まで妻と共に、四十年の間、波乱万丈で歩んできました。
これからも慎重に倹約と節約をもって着実に一歩ずつ前進です。

それも、妻を中心に家族の愛情を持ち続けて、手放さないようにしたいのです。
私の努力だけででは、全体を覆いつくせないのです。
愛情の道を推し進めるという覚悟なのです。
その為にも、妻との愛情の道を歩んで神殿に至ろうとするのです。
この年齢になって、夫婦で最高の愛情の価値を表現する年齢に入っているという事です。