2018年1月6日(八段語録3175)
一年の計は出初式にあり


 晴れた消防出初式になりました。
今年は観閲式で纏振りの大役が回ってきました。
来年は、消防団の定年を迎えるので、今年の出初式が最後の纏振りという事です。
折しも、仙台市の無形文化財に梯子乗り隊が去年の末に認定されて、市民の関心も強いのです。

私の最後の纏振りが、無形文化財に指定されて、第一回目の記念すべき出初式での演技となりました。
それだけに、名誉なことであり、プライドをもって纏振りの役目をさせて頂くという事です。
人生最後の纏振りという事もあって、気合が入りました。
ちょうど、極真の大会での最後の試合に臨むような心境でした。

ところで、この日の為に、稽古を通じて、身体づくりを日々重ねていました。
重い纏を左右に振るわけですから、人一倍の体力がいります。
腕力を鍛え、持久力を高める日々を送ったのです。
人生最後の纏振りのための、鍛錬を始めたわけです。

私の纏の振り方は、誰にもまねができないのです。
つまり、独特の振り方をするのです。
それだけに、批評もされるのですが、関係ないことです。
私の思考する意図からするならば、気合を入れるような振り方という事です。
誰よりも、魂の塊であり、他を圧倒してしまうという事です。

 さて、かつて二回にわたって、纏振りの講釈を江戸の纏振りから講釈を受けました。
それを見習うような指導を消防局はするのです。
私の場合、培ってきた基礎体力があるという事と、極真魂に身を包んでいるわけです
私は江戸っ子ではなく、伊達者であるという気持ちになるのです。
血筋でしょうか。
振り方の派手さを前面に押し出すわけです。

それだけに、持論として伊達藩士としての私の気持ちがよぎるのです。
そう思うだけに、全体に合わせてという発想は、まったく頭からないのです。
まして、最後の纏振りという事もあって、華々しくも逞しく演技を終えるという印象です。
常識では、この出初式は、仙台の消防という位置づけになっているのです。

しかしながら、私自身からするならば、伊達家の血筋を引く自身の出初式なのです。
そして、そのような気持ちで、年頭の決意をするのです。
間違いなく、大きな波が今年も押し寄せてくるのです。
それに対する気合のこもった、闘いを挑むという意思表示なのです。
もちろん、纏についても、私の纏という所有から始まるわけです。
この纏が私のものであり、この年の安全と安心を生み出すという決意なのです。
そのような意味では、方法論や技術論は二の次という事です。
纏振りとして、今年の決意は、派手に心に残る実践をするという事なのです。

 確かに、一月の寒さにさらされる出初式です。
この寒さも、天地の息吹のように感じようとするわけです。
今年も、汗を流しながら、あらゆる困難を克服しようと努力するのです。
この出初式に安全・安心の願いを投入するのです。

このような纏振りという全力で対処する役割は、素晴らしい体験なのです。
纏を振って何が変わるのかと思うかもしれませんが、最高の心の境地に至るのです。
私という唯一無二の人物が、一年間の祈願をするわけですから、効果満点という事です。
纏を振る境地は、天下を収めるような覚悟になるのです。

それだけに、このように用意された纏振りのポジションは実にありがたいという事です。
この立場で対応すると、世俗の不条理は消えてしまいます。
まして、人の思惑も関係がないのです
ただ現象的に纏を振っているという事ではなく、多くの意味を持つのです。

何にでも、誰にでも、加勢できるような境地になるのですから不思議です。
私が目を見開いているだけで、誰かを助けていきたいという境地になります。
最後の纏振りをすることによって、何か大きなことに気づかされるかもしれないのです。
何か纏振りを、特権を持った立場であるというように置き換えてしまうのです。

「天上天下我独尊する」という境地でしょうか。
それほどまでに、愛情を注いで纏を振ってきましたが、今年で最後なのです。
この纏振りを後輩に譲る時なのです。
この十数年の間、このような気持ちになれたのも、有難いことでした。

この纏振りの期間、最高の欲張りの大王のような欲望を抱かせてもらいました。
出初式に、最高の欲張りをしようと思うようにしていたのです。
これから、纏振りをしなくとも手塚グループの為に戦えるかという事に関して、欲張っていきます。
どれだけ高い壁でも、低い沼地でも撃破していこうという事です。

今年も、欲張って、夜も昼も汗を流しながら、時には涙を流していく覚悟ができるのです。
自分自身の良心に忠実に服従していきます。
もちろん、悪の帝国に対して、徹底抗戦です。
武士道ですから、切るか切られるかの戦いであることに間違いなのです。

決して、中途半端に人情的にはならないのです。
許せないことに関しては、妥協しません。
スターウォーズの世界を行くわけです。
帝国軍には負けないのです。

私の闘志は、纏振りを卒業したとしても燃え上がるのです
私の心全体に満ち溢れるのです。
それは、間違いなく思いやりから生まれてくると思っています。
そんな、気持ちを抱いた出初式でした。